屋比久勝子の毎日をキラキラに☆

毎日の健康づくりに欠かせない熱と栄養について、日々のカウンセリングや施術を通して得たオリジナルな視点から語るブログです。

食物繊維について

f:id:yabiku-method:20160808162102j:plain

 食物繊維は植物の骨格に相当するものです。どんな細胞でも、それを取り囲んでいる細胞壁はこの食物繊維からできており、これが無いとどんな草花や木も真っ直ぐに立っていられません。

 食物繊維は植物の形状を支える骨格

 ところで、食物繊維は単一物質ではなく、基本的には四種の物質群からなる混合物です。一つは「セルロース」(多糖類の一種)、もう一つは「リグニン」と言って、植物の木質部を形成している物質です。リグニンは食物繊維のうち炭水化物に属さない唯一の成分です。残りの二つは、「ペントース」・「ペクチン」(糖質からなる一群の多糖類。豆類に多い)にあります。

  これら成分の混合物全体の構造は、ちょうど、ビルディングの建築に使われる鉄筋コンクリートに似ています。セルロースは真っ直ぐな長い鉄の棒に、ペントースなどを含む多糖類は枝分かれした棒に、水に溶けやすいペクチンはセメントに相当し、リグニンは頑丈な外側の覆いに例えられます。また、細胞の中身は栄養素からなり、細胞壁は容器に相当するものであるとも言えます。各種の種子類、果物、豆類などに見られるように、食物繊維はそれらの内側よりも、その外側に比較的たくさん含まれています。ですから、「剥いたりして外層を取り去ると」この重要な食物繊維が大部分捨てられることになります。もったいないですね。

 腸で吸収されず便を促す食物繊維

 食物繊維の摂取は、消化管全体の働きに影響しますが、特に結腸、直腸からなる大腸に対して最も大きな影響を与えます。食物繊維を簡単に定義しますと「壊れずに小腸を通過し、そのままの形で大腸にまで到達する」ということでしょうか。食物繊維と違って、デンプン、糖質、脂肪、タンパク質は小腸を通過する間にほとんど消化され、吸収されてしまいます。 では、食物繊維(内容物)は腸内でどうなるかと言いますと、口の中で唾液と混ぜられかみくだかれ、食道を通り胃に到達します。胃で胃液(消化液)と混ぜられた後、胃壁の筋肉運動によって 小腸へとしぼり出されていきます。小腸で吸収されない内容物は、大腸内の細菌類によって発酵されます。発酵で生じた一部の物質は体内に吸収されます。腸は蠕動収縮を行い、内容物を大腸へ送り、内容物は大腸を通過していく間に水分が吸収されるので、次第に濃縮され、液状のものから固形、半固形状の状態に変わり、大便として排泄されます。

 食物繊維が十分含まれている食事の時には、通常、大便の体積が大きく、色が薄く、柔らかで、水に浮かびます。食物繊維欠乏では、この逆になります。また、飲料水その他の液体をたくさんとっても、便秘の治療にはあまり役に立ちません。十分な食物繊維がない限り、飲んだ液体は腸から吸収されてしまい、尿中に排泄されるだけです。

 急激な血糖値上昇を抑えて解毒作用も

 食物繊維はカロリーを含まない、体積だけを持った成分ですから、エネルギー摂取量を増やす事なく食事中の繊維量を増やすことができます。そして、腸内の内容物に粘性を与えて、デンプンや砂糖がブドウ糖として吸収されて血流に入っていく速さを遅らせます。すなわち、血中の血糖値上昇が穏やかになるため、インシュリンホルモンを分泌する膵臓に対する負担を軽減させます。また、食物繊維は大腸内容物(便中)の種々の有毒物質と相互作用して、その吸収を阻害し血流に入るのを防ぐと言われています。大腸内の有毒物質が速やかに排泄されていけば、それだけ発ガンの危険性も少なくなるのではないでしょうか。