レモンが酸っぱいのは?
ビタミンCはアスコルビン酸だから、酸っぱい味がすると思って居られる方が大分おられます。しかし、緑茶にビタミンCがあると言っても、酸っぱい味がする訳ではありません。これは、アスコルビン酸がインドールで中和されて「アスコルビゲン」の形になったものです。
レモンの酸っぱさはビタミンCのためではなく、「クエン酸」です。これもアスコルビゲンの形をとっています。酸っぱい味のする果物を食べてビタミンCをたっぷり取ったと思っては大間違いです。1日に必要なビタミンCを2g(個体差がある)とすると、これはレモンの皮をむいた4kgに相当すると言われます。
ビタミンCは話題性に富む栄養素ですが、その働きは、アミノ酸の代謝にも関与しています。チロシン(神経伝達ホルモンのドーパミン、メラニンの前駆物質)トリプトファン(セロトニン、メラトニン、ノルアドレナリンの神経伝達物質)フェニールアラニン(神経伝達ドーパミン)などがそうであります。また、ブドウ糖の代謝にも、コラーゲンの合成やインターフェロンの合成にも、葉酸の生成にも、また、脂肪酸のベータ酸化を促進する作用を持っています。ビタミンCはまさに万能選手と言うべき栄養素です。
よく、「天然品と合成品の違いは?」と質問されますが「生体内生理活性において分子構造上の大差はない」とビタミンCの研究でノーベル化学賞を受賞されたライナス・ポーリング博士は書で述べておられます。