細胞膜の新陳代謝
細胞の命を支える細胞膜
体内の血液、細胞は毎日、体重の30分の1は壊れ、新しいものと入れ変わっている為に、その再建作業にはタンパク質は欠かせません。生命の要と言われる肝臓を守るにもタンパク質の補給は必要となりますが、タンパク質さえあれば、再建はOKという訳にはいきません。
体の組み立て作業は膜に包まれていて、その膜構造は、サンドイッチに例えられています。パンに当たる部分がタンパク質、ハムに当たる部分がリン脂質で出来ています。細胞膜のハムの場合は、大部分がリン脂質で、あとはコレステロール、糖脂質の2種になっています。その2種は自動ドアに例えられていて、このドアを通して、栄養素が細胞に入り込み、細胞内での必要物質や老廃棄物が細胞から排出されていく訳です。
リン脂質、糖脂質は大切な材料
細胞の命はこの自動ドアによって保たれていると言えますが、細胞膜も壊れ、入れ変わっていますので再建が必要です。リン脂質、糖脂質が不足すると、そのあとがまにコレステロールがはめ込まれます。すると、細胞膜は出入り口を塞がれ、生命活動はうまくいきません。
リン脂質、糖脂質の材料にはリノール酸とリノレン酸の2種ありますが、いずれも植物油にしか含まれていません。リノール酸の含有量は植物油によって違いますが、オリーブ油84%、大豆油50%、ごま油、コーン油40%ということです。
リノール酸には、血管壁に沈着したコレステロールを乳化する働きがあり、リノレン酸は局所ホルモンの材料になります。オリーブ油は加熱しても酸化しませんので、炒めものなどに使われ、その他の植物油はドレッシングなどに適していると思います。